依然として、まだまだ多い「パーマ液信仰論」。
先日も、浜松市中区在住のS様よりパーマのダメージによるご相談メールをいただきました。
『美容師さんの「傷まないパーマ液を使っているから大丈夫!」の言葉を信じて約3年ぶりにパーマを掛けてみたのですが、家に帰ってシャンプーしたらギシギシバサバサの手触りでツヤも全然無くなってしまいました。』
「当サロンでは傷まないパーマ液を使っています!」このようにご紹介されると、高品質で特別なパーマを想像してしまいますが、いざ体験してみたら希望する髪型とは全然違う仕上がりだけでなく髪の痛みも酷かったこともあって、掛け直しをお願いしようにも「同じ失敗をされたらどうしよう?」との恐怖心から「別のサロンで新たにパーマを掛けた」体験談を良く耳にします。
パーマは手作業による技術で掛けるもの
パーマというと「パーマ液が良ければ傷まない」とイメージする方が多いと思いますが、実際にはパーマ液をつける行為はパーマ施術の中の作業のひとつに過ぎず、
「とかす」「巻く」「ゴムで止める」といった人間の手作業による技術が加わってはじめて、ウェーブやカールといった髪の形を変えることが出来るのです。
そして、パーマの施術の過程で髪を傷めてしまう原因の約8割は、この手作業の技術的な欠陥で起こります。
しかしながら、パーマの施術で顧客様が一番気にされるのが、使用するパーマ液の品質。
パーマ液には良いも悪いもありません
一般的には「髪の保護成分が高配合=良いパーマ液」とされていますが、これは80〜90年代にかけてパーマが普及した時、ごく一部の美容師による解釈の違いがそのまま受け継がれてしまった名残。
本来パーマ液に良悪のランクは存在しません。
そこにあるのは、健康毛〜ダメージ毛の各状態に合わせて、均一に作用するよう調節されたパワーの異なるパーマ液のみ。
これらを美容師の経験と髪質診断を元に、髪に余分な負担が掛かり過ぎないように使い分けています。それ故、美容師の目利き力や技量が低い場合、髪の傷みに直結する訳です。
“傷まない”より“痛めない”技術と心遣い
ですから「傷まないパーマ液の使用」「パーマ後にトリートメントを付ける」髪の健康を軽視した感触重視の創意工夫のない施術では、パーマのダメージを防ぐことは出来ません。
もし、あなたが「パーマをかけたいけど髪は傷めたくない」とお考えなら、パーマの施術前に「どれだけ手間隙を惜しまずに髪の状態を整える手当てを行なっているか?」パーマの施術中に「髪や身体に痛さや熱さといった負担が掛からない技術を行なっているか?」
髪とお肌を痛めないための創意工夫と心遣いで判断して下さい。
おとなキレイ·サポーター 田中和義 より