KB025 香りは自分には“快適で幸せ”と思っても、他人を“傷つける凶器”となってしまう事もある

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「この香りが好きだから使っている」独りよがりの背景では、多くの人を傷つけている恐れがあります。

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photo credit: >中日新聞

香りの問題はとてもデリケートで、香りはさりげなくが美しい – 強すぎる香りは人を傷つけたり不快にする事もある エントリーでも取り上げましたが、人それぞれ好みが違うため「自分が好きな香りが必ずしも他人が好むとは限らない」という難しい一面を持っていますから、使用する時には他人への影響を考える配慮が必要といえます。

 

“快適で幸せ”を感じる香りと“傷つける凶器”となってしまう香り

最近の私たちの生活空間をぐるっと見渡してみると、ボールペンやノートから家具家電に至るまであらゆる生活用品が抗菌グッズで溢れかえっており、昭和時代に比べると清潔感に対する考え方がかなり神経質になっている事が伺えます。

そして2000年以降、加齢臭がメディアで盛んに取り上げられるようになるとチョットした臭いにも敏感になり、嫌な臭いはすぐに消し去りたいと「シュッ!と一拭きするタイプ」のスプレー式の消臭剤が登場し、それまでの「仄かな香りを楽しむ」思考から香りに「快適さ」も求めるように変わってきました

 

柔軟剤の香りで起こる体調不良と、売上を伸ばしたいメーカー側の思惑

柔軟剤:香りで体調不良、国民生活センターが啓発要請
毎日新聞 2013年09月19日 19時26分

 洗濯に使われる柔軟剤の香りで体調不良を訴える人が増えている問題で、国民生活センターは19日、業界団体の日本石鹸(せっけん)洗剤工業会に対し、においが周囲に与える影響に配慮を促す注意表示や啓発活動を行うよう求めた。

 同センターによると、2012年度に寄せられたにおいに関する相談件数は、健康に影響のないものも含めて65件と、前年度から倍増した。今年度も8月末までに38件の相談が寄せられており、前年の同時期より多い。窓を開けることの多い春から秋にかけて「隣家などからの柔軟剤のにおいで頭痛や吐き気が起きる」という相談が多いという。

 一方、同工業会が10年に行ったアンケート調査によると、標準使用量の2倍以上の柔軟剤を使っている人が23%に上った。製品説明に「香りをもっと楽しみたい時は、好みに合わせて使用量を増やしてください」と書かれたものもあり、センターの担当者は「こうした表示はエチケットとしてどうかと思う」と話す。

 同センターは「柔軟剤を使えば何らかの化学物質が出ている。自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあることを認識してほしい」と、消費者にも注意を呼びかけている。

確かに「衣服に汗臭い匂いを残したくない」「肌触りと香りの良さを少しでも長い時間持続させたい」快適さを求める気持ちもわかりますが、香りというのは意外と使っている本人は強さを認識できていないモノ。同じ香りを毎日のように嗅ぎ続けると臭いに対する嗅覚が麻痺を起こし、弱い香りでは物足りなくなってどんどん強い香りを求めるようになってしまいます。メーカー側も「香りをもっと楽しみたい時は、好みに合わせて使用量を増やしてください」製品説明にもあるように、お客様の安全性より嗜好性を優先する傾向が見られます

上記の記事にあるように、たかが香りでしょ?と思って軽く考えていると、好みではない臭いが原因で心や身体を傷つける凶器となってしまうケースも多々報告されていますから、たとえどんなに小さな事でも、自社や自分の好みや都合ばかり考えるのではなく、他人への配慮(健康)を最優先に考えるべきではないでしょうか。

もし、あなたの使用している香りで頭痛や吐き気が起こっているとしたらどうしますか?

おとなキレイ·サポーター 田中和義 より

 

今回のエントリーの参照サイト

柔軟剤:香りで体調不良、国民生活センターが啓発要請- 毎日jp(毎日新聞)