CO027 紫外線で傷ついたパサパサ髪の潤い補給に最も大切なモノとは?

サロンに初めてお見えになる顧客様に、どんな乾燥対策をなさっているか聞いてみた所、「最後の仕上げに椿油をつけて乾燥を防いでいます」「出勤前に洗い流さないトリートメントをつけて潤いをキープしています」「補修効果の高いトリートメントを付けて10分ほど置いてから流しています」
この3つの回答が多かったです

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毛髪の潤い補給とパサパサ髪

今年の夏場は、30度越えの暑い日の連続でしかも強力な紫外線が降り注いでいる影響か、例年に比べ髪の“パサつき”や“ゴワつき”といったコンディションの悪化でお悩みの方や、髪の仕組みをキチンと理解なさっていない方がとても多い事に驚かされます。

 

毛髪の潤い補給の鍵を握るのは油ではない

身体の潤いは体温と連動しており、太陽光線の熱によって上昇してしまった体温を下げるために、毛穴と汗腺を一斉に開いて汗と一緒に水分(ミネラル)を放出して熱を帯びた身体を冷やします。

お肌の潤いは、表皮を皮脂で覆い弱酸性にキープする事で、真皮層の酸化を防いで弱アルカリ性の水分(ミネラル)の蒸発を防いでいます。さらに、有棘層〜乳頭にかけての真皮層にメラニンを放出してシミを作り、皮下組織に紫外線が届かないように保護します。

そして毛髪の潤いは、毛穴の中の皮脂腺から分泌された皮脂を7層からなるキューティクルの隙間に染み渡らせて、毛髪内部の水分(ミネラル)を11〜13%にキープしています。

毛髪だけでなく、お肌や身体に共通しているのは、潤いやしなやかな手触りは「水分(ミネラル)」によって支えられており、皮脂の油膜が蓋の役割をすることで、水分(ミネラル)の蒸発を防いでいるのです。

冒頭でご紹介した3つのお手入れですが、どんなに補修効果が高い美容成分や油脂成分であっても毛髪にとっては異質物として扱われ、繰り返すごとに紫外線による酸化が酷くなり、キューティクルや内部のタンパク質を傷つけて毛髪が悲鳴を上げて、ゴワゴワパサパサが悪化してしまいます。

人間の身体は、美容成分ではなく水分(ミネラル)と皮脂のバランスで潤いをキープしているのです。

おとなキレイ·サポーター 田中和義 より