髪型にこだわる施術と失われていく美しさ

カットして一週間ほどしか経っていないのに“髪がパサついて全然まとまらなくなった”経験はありませんか?

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最近では1ヶ月に2〜3人とだいぶ少なくなりましたが、2〜3年ほど前迄は1ヶ月に10人ほどの相談を受けていました。

まず、髪の状態を見させていただいて一番驚いたのは、スカスカになるまで減らされた髪の量。「こんなにまで毛量を減らす必要があったのだろうか?」「どんな髪型に仕上げようと考えたのか?」とにかく髪のコンディションよりも、当時流行していた“軽やかな髪型”に仕上げることを優先したその施術に、いつから素材である髪を大切に扱わなくなったのだろう?と、悲しい気持ちがこみ上げてきたことを思い出します。

 

手入れのしやすい美しい髪型は、良質な髪のコンディションの上に成り立つ

髪を大切に扱わなくなった事はカットに限らず、パーマやヘアカラー等の美容施術にも言えることですが、「希望する髪型に効率よく仕上げるためには、多少のコンディション低下は仕方ない」と考える風潮が根底にあるのではないかと、考えてしまいます。

確かに毛量を減らすと、乾くのが早い、ワックス等の整髪料をクシュクシュと揉み込むだけで簡単に髪型が仕上がる利点はありますが、無理なハサミ使いで毛先が落ち着きを維持できる“適度な重さ”が失われ、キューティクルが傷んでササクレや反り上がりを起こし、日に日にパサついて広がりが抑まらなくなる。そして「洗い流さないトリートメント等の整髪料を使う量を増やしているにもかかわらず髪の傷みが悪化してしまう悪循環」に陥ってしまう欠点が表面化します。

特に、体質が変わりやすい時期を迎え些細な刺激にも敏感に反応しやすい40代以降は、髪のハリ・コシ低下によって外部からの刺激に対する抵抗力の減少で髪ダメージが深刻化しやすいため、毛髪のコンデション維持を再優先に考えた繊細な施術が必要とされます。

良質な髪のコンディションに整えることで手入れもしやすくなり、ツヤのある美しい髪型にまとまるのです。

もしこれらを無視して、コンデション維持よりも整髪料類の加工で仕上げた髪型を良しとするならば、

髪本来の美しさの象徴である“天使の輪”は、次第に失われてしまうでしょう。

おとなキレイ·サポーター 田中和義 より