長期療養施設内では集団感染の恐れもありますから要注意です。
風邪のような症状が数日続くRSウイルス感染症
【THE PAGE 10月4日(金)16時45分配信】
RS(呼吸器合胞体)ウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫、ドアノブやコップなどの接触を通して感染します。4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻水など風邪のような症状が数日続きます。多くは軽症で済みますが、ひどくなると肺炎や細気管支炎を起こします。重篤な合併症としては、突然死につながる無呼吸発作や急性脳症があります。生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子供が1度はRSウイルスに感染します。早産で生まれたり肺や心臓に病気のある赤ちゃん、また生後3カ月以内の感染は重症化する場合があるので、特に注意が必要です。
■ 高齢者は集団感染の恐れも
大人は軽症で治ることが多いのですが、高齢者は重症の下気道炎を起こす場合があり、特に長期療養施設内での集団発生が問題になっています。
感染を予防するには、うがいや手洗いの励行やマスクの着用が大事です。子供が触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒します。風邪のような軽い症状のある幼児以上の子供や大人は、RSウイルス感染症と気付かない場合があるので、赤ちゃんに近づかないようにします。
特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が基本です。予防ワクチンはありませんが、早産児などの感染予防のため、抗体製剤パリビズマブが筋肉注射で投与されることがあります。
今年は夏の酷暑が長期間続いた影響で、暑さによる体力の衰えからウィルスへの抵抗力が弱くなっている方々が多い傾向にありますから、要注意です。
予防に勝る特効薬はありませんから、家庭や職場で「ドアノブやコップなどの接触が多い物の消毒」をきちんと行い、咳やくしゃみなどの飛沫感染を防ぐための「マスクの着用」と手指の消毒といった予防習慣は心掛けたいものです。
集団感染を生む、私は大丈夫!という過信や驕りは捨てましょう!
おとなキレイ·サポーター 田中和義 より