細毛や脱毛症状の治療に期待が高まる「育毛を促す遺伝子」

遺伝子操作には一抹の不安を感じますが、効果的な育毛剤の開発につながる期待値は高いかもしれません。

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先月には「脱毛症の治療に明るい未来」で、毛髪を生み出す組織「毛包」の形成に主要な役割を果たす毛乳頭細胞の培養による毛髪の再生のニュースに続いて今回の新たな発見は、細毛や脱毛症状の治療の未来は明るいと言えます。

 

育毛を促す遺伝子の研究と細毛や脱毛症状の悪化を防ぐ環境整備

今回の新たな発見は、遺伝子操作という危険因子もはらんでいますが、リスクの少ない育毛に向けて大きな一歩を踏み出しました。

育毛を促す遺伝子発見 米研究チーム、傷の治癒に効果も
朝日新聞デジタル 11月8日(金)7時29分配信

 【大岩ゆり】毛の成長を促す遺伝子を米ハーバード大などの研究チームが発見し、マウスの実験で確認した。傷の治癒を促進する効果もあり、この遺伝子からできるたんぱく質と同じ働きの試薬でも同様の効果が得られた。研究チームは「研究を進め、薬剤の開発に役立てたい」としている。7日付の米科学誌セルに掲載された。

 この遺伝子は「Lin28a」。ヒトも含め哺乳類では胎児期に盛んに働くが、生後はほとんど働かない。

 研究チームは、生後もこの遺伝子が働くように操作したマウスと通常のマウスの背中の毛をそった。1週間後、通常マウスはまだほとんど毛が生えていないのに、遺伝子操作マウスはほぼ元の状態に戻っていた。毛穴の数や大きさは変化しておらず、遺伝子の作るたんぱく質が毛の成長を早めていることがわかった。

「毛の成長を早めている」成果に自ずと注目が集まり発毛の期待が高まりますが、「毛穴の数や大きさは変化していない」研究結果から判断すると、現段階では毛穴の減少しているハゲや薄毛症状よりも、毛髪が細くなってしまったり脱け毛症状がひどくても毛穴が残っている状態にある方が、今までより短い期間でハリ・コシのある毛髪を回復させたいケースで有効になるかと思います。

但し、いくらリスクの少ない育毛の未来が開けたとはいえ、細毛や脱毛症状を未然に防ぐためにも、ストレスの増加・ホルモンバランスの乱れ・ヘアダメージを進行させる整髪料やヘアケア習慣といった、

「細毛や脱毛症状の悪化を防ぐ環境整備」が今以上に重要なウェートを占めてくることは言うまでもありません。

おとなキレイ·サポーター 田中和義 より